XDCAM ×AVID DS
Posted on 2019/03/02(Sat)

2機種を用意して挑んだ年末特番。
①弊社所有の1550は、異なるフォーマットを混在して記録でき、4層プロフェッショナルディスクにも対応した既存の機種の中では最新機種。
ただし、編集機からのインサート編集には対応していない。しかし、これまでに慣れ親しんだVTRで仕上げたのち、ダビングするにはうってつけ。VTRの機動力、瞬発力を生かし、お客様を困惑させず作業を実行し、最後の最後に、
例えば、完成品のプレビュー時、DVDなどのコピーと同時にプロフェッショナルディスクにダビングすれば、お客様にはなんのストレスも与えない。
②SONYからお借りした、この仕事で試運転した結果次第では導入を考えている本命の1600。
まるでVTRのように制御しプロフェッショナルディスクへダイレクトにインサート編集も可能。
DSから出力の際、内容の最終チェックと、DVDやBlu-rayへのコピー、ときには、MAスタジオへの映像キャプチャーを兼ねた、一石二鳥ならぬ三鳥を実現できる。ただし対応ディスクは2層式まで。
(なので、XDCAM ドライブとしての設備は今のところ考えていない)
万全の体制で臨んだものの、納品用に用意されたプロフェッショナルディスクはなんと3層式…。
3層ディスクに3時間までの記録を求められました。
テープは124分が最長なので、途中経過をHDCAM で処理し、1550にてXDCAM へダビングするという策は崩れ、
また、2層式までにしか対応していない1600を利用する策も崩れた。
緊急に助けを求めたとき、快く2000を貸してくださったご近所のブレイズに感謝。
かつて、トラブルにあったとき、弊社が協力したことへの恩返しだという。
この時期だからこそ思い起こすのは、
忠臣蔵の吉良邸のお隣、土屋主税が、
暗がりで討ち入りに足が鈍る赤穂浪士のため、灯りを灯した というシーン。
このエピソード、
若いスタッフは、キョトン(・_・)
3層式に、編集からMAにかけてインサート処理ができ、
納品間際まで、テロップやナレーションの差し替えなどに対応できるのはこの機種だけなんです。
※制作のみなさまにご理解をいただきたいのは、
1600ではダイレクトにプロフェッショナルディスクにインサート処理できますが、2層式まで。
2000は3層ディスクに対応するものの、
一度内臓ハードディスクに記録したのち、
プロフェッショナルディスクに移すという動作を行っているゆえ、録画時間が約1.5倍かかるのです。
ですから3時間を記録したとすれば、録画が終了するまでには4時間30分かかるんです。
3時間のプレイバック後、あのカットを差し替えたい と思っても、次の作業に行動をおこせるのには1時間30分待たなければなりません。
また、実験の結果、1600はアッセンブル編集ができましたが、2000では不可能でした。
更新終了の編集機や編集ソフト、アップグレードが目まぐるしい編集ソフト、そもそもSONYとの技術検証がなされているのか不明瞭な編集機も多くあります。
自らが全て実験をしなければ確証が得られない状況です。
結果、私はこう思うのです。
テープは減少していくでしょうから、
1550にテープからダビングするという策は現実的でなくなるでしょう。
1600を主体とし、納品ディスクは2層式としてほしい。
SONY AVID Adobe GLASSVALLEY など、様々な編集機や、編集ソフトが混在しているなか、
まだまだテープを利用した素材も多く行き交う時期に、編集プロダクションが連携をとるうえでも、工夫と理解が必要です。